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熱性けいれん

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熱性けいれんは、38度以上の発熱に伴うひきつけです。6ケ月から60ケ月の乳幼児に起こり、12~13人に1人の頻度で見られる よくあるひきつけです。

 

【ひきつけた時の注意点】

  • あわてない、落ち着くこと
  • 衣類(特に首の周り)をゆるくすること
  • 頭を体よりやや低くし、仰向けにして、頭をそり気味にする
  • 体温を測定し、ひきつけの長さ、目や手足の動きを観察し記録する
  • 薬、食べ物を与えない。(ひきつけ時に医師から投与の支持があった座薬などは与えましょう)
  • もとの状態になるまで必ずそばを離れない

 

 

【緊急に医師への受診を必要とする時(以下のいずれかの場合)】

  • ひきつけが10分以上続くとき
  • 短い間隔でひきつけを繰り返し、この間、意識レベルが下がっている時
  • 左右対称のひきつけでなかった時
  • 1歳未満で、初めてのひきつけの時
  • ひきつけた後、手足のまひを伴う時

 

 

【予 後】

熱性けいれんの半数近くは、生涯一度のひきつけです。てんかんへ移行する人は2-7%です。

 

【熱性けいれんの子供への注意点】

①予防接種について

MRワクチン、小児肺炎球菌ワクチンが接種後に発熱しやすい ワクチンです。
MRワクチンは接種後7-10日、小児肺炎球菌はー2日以内に発熱を認めます。

  • 現在行われてる、すべての予防接種を行っても差し支えありません
  • 保護者の方の予防接種の必要性、副作用、有効性などの理解が必要です。事前に十分相談して下さい
  • 本人の体調が重要ですので、担当医と接種時期、予防接種の種類などを相談の上予防接種を受けて下さい

②熱さましは けいれん予防効果はありませんので、非けいれん児と、熱さましの使い方に違いはありません。

  • 解熱剤使用による、熱性けいれんの予防効果は認められません
  • 解熱剤の使用は、苦痛緩和のための使用にとどめ、使用量は最小限します

 

③投与が勧められない薬

  • 鎮静性抗ヒスタミン剤、テオフィリンなどのキサンチン誘導体は症状を悪化させる可能性があります
  • 外来受診時は、熱性けいれんの既往があることをお伝え下さい

 

 

【熱性けいれん治療ガイドライン】

2015年、18年ぶりに熱性けいれん治療ガイドラインが改定になりました。

改定のポイント

15分以内の単純型のけいれんのみの場合、けいれんの回数にかかわらずダイアップの予防投与が中止になりました。

下記のうち2つ以上を満たした熱性けいれんが2回以上反復する場合に、ダイアップを投与する。

  1. 焦点性発作または24時間以内に反復
  2. 熱性けいれん出現前より存在する神経学的異常・発達遅滞
  3. 熱性けいれんまたはてんかんの家族歴
  4. 生後12カ月未満
  5. 発熱後1時間未満での発作
  6. 38℃未満での発作

単純型熱性けいれんのみでは、一律に脳波検査の必要はない。と報告されました。